使い込んだお気に入りの財布の補色をして下準備が大事だってつくづく思った。
2017/09/28
前回のスエードの財布に引き続き同じお客様から財布の補色のお願いをされました。
でも、ちょっと今回のは手こずりましたー!
なぜかって、わたしの技術では元の状態に近づけられない革質があるのですが今回はまさしくそれに該当。
元の状態に近づけることは無理だったけど、できる限り頑張ってみましたー
革質を見極めてから作業に取り掛かるんだけど、ちょっと手こずった
最初、財布を見たときはヌメ革???って思ったんですよね。
ヌメ革なら色塗れないじゃん、って。
塗れないわけではないのだけど、風合いがなくなりまったく別物の革質になってしまうから革好きとしてはできる限りヌメ革には色を塗りたくない。
私の革の補修方法はヌメ革は向いていないのです、確実に風合いが変わってしまいます。
でも、どうしても・・・!というときは引き受けたりもしてます。
財布の観察をしてるとヌメ革がエイジングした革なんだなーって思って見ていたんだけど少し違和感があって、それは手触りがヌメ革の手触りじゃないんですよね。
やたらツルツルするんです。
ヌメ革だったらもう少し、ざらつきがあるのになあ・・・・と。
どんな革質なのか?見極めてからでないと補色の作業はできないんですよね、革質によっては色を合わせて作って色を塗ったら色が違う色になることもあるので革質を見極めるまでは先に作業をすすめられないんです。
というわけで、財布の革を更によく見ると、革の汚れがついたところと、色がまだらになってオレンジぽくなっているところを発見。
これは塗装されていた革っぽいなあ、って思って財布のファスナーを開けて内側をみてみたら、
ビンゴでした。
おそらく元の革質はこんな革質だったんだろうな、色もこんなんだったんだろうな。
この財布が好きすぎてたくさん使って色が取れたり、汚れがついたり、水がついたりして色がまだらになったのかな?、革のしぼもたくさん使ってツルツルになっちゃたのかな?と想像し、この色に合わせて色を作ることにしました。
アドカラーで財布の色に合わせて色を作る
色作りに使うのはアドカラー。
革の補色作業で1、2を争うくらい大事な色作り。
ベージュのような色なんて簡単なようにみえるんだけど、作ってみると結構むずかしいんです。
色にもう少し暗さが欲しいな、というときは黒をいれるのか?青を加えるのか?これも慣れないとなかなかできなくて、色作りでアドカラーをたくさん無駄にしてしまうこともあったなあ。
アドカラーで色を塗る前にすること
アドカラーでの色作りが完成したら、色塗り作業を始める前に財布のベースを整える作業するんですが、この作業を怠ると色を塗る時の作業がとても大変になるのと仕上がりにとても差がでるので面倒くさがらずにベースを整える作業をします。
70%エタノールで全体を吹いて余分な油分や汚れを取り除きます。
でも今回のは色の濃いシミがあったのでこの部分の色を取り除く作業をするため、100%エタノールで汚れ落しを根気よく続け・・・
だいたいここまで汚れをとりました。
もっと汚れを取り切っておきたいところだけど、もうこれ以上は革の劣化を進ませそうなので汚れ落しはこれで終了
アドカラーを塗る
ベースを整えたので色塗り作業に取り掛かります。
完成した色を水で薄めて最適な濃度で塗っていく。
たまにあるんだけど、水分がつくと黒くなって元に戻らない革があるんだけど、今回の革はそれに該当したので色をあまり薄めないで塗っていきましたー
だけど濃い色で塗るとペンキ塗ぽくなってしまうんですよね。
くたっとした使い込んだ質感の革なのにペンキ塗りをして真新しい雰囲気はちょっと不釣り合いだと思ったので、刷毛で細かくペタペタとドライヤーで乾かしながらチマチマ色を塗っていき、近くでみると多少のムラがあるけれどその方が財布の質感にマッチしていると思いわざとムラ感をだして仕上げることにしました。
そして最後にラナパーをうっすら塗って完成!
やっぱりベースを整える作業をしていたのでシミも思いの外簡単に隠すことができました。
気に入ってくれるといいな。
私はアドカラー使っているけど、
手軽さならやっぱりサフィールクリーム押し。
自分の靴の補色はサフィールの補修クリームオンリーです。
手で適当に塗るだけでできるから気楽なんですよね。
簡単に補色をする方法 靴磨き感覚で色補修ができるサフィールレノベイティングカラー補修クリームを使ってみた。
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